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倒産・解雇・雇い止めなど、自分の意思によらない理由で会社を辞めてから軽貨物で開業する場合、退職後の健康保険と年金の負担を下げられる公的な仕組みが2つあります。国民健康保険(国保)の「非自発的失業者の軽減」と、国民年金の「退職(失業)による特例免除」です。どちらも申請しなければ適用されません。この記事では、2つの制度の条件・期間・必要書類と、開業後も軽減が続くかどうかを、厚生労働省・日本年金機構・市区町村の公式ページで確認できた範囲で整理します。
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結論:会社都合退職なら国保は「前年の給与所得×30/100」で計算され、年金は特例免除を申請できる
- 国保の非自発的失業者軽減:雇用保険の特定受給資格者(倒産・解雇など)または特定理由離職者(雇い止めなど)で、離職日時点で65歳未満の人は、届け出ると前年の給与所得を30/100とみなして国保料(税)が計算されます。期間は離職日の翌日が属する月から、その翌年度末までです(厚生労働省・新宿区)。
- 開業しても軽減は続くか:軽減期間は雇用保険の給付期間とは別に決まっており、国保に加入している間は、途中で就職しても続くと案内している自治体があります。会社の健康保険に加入して国保を抜けると終了します(千葉市・広島市)。個人事業主として開業する場合は通常そのまま国保に加入し続けますが、雇用保険の受給を終えた後の扱いはお住まいの市区町村で確認してください。
- 軽減されるのは給与所得だけ:開業後に生まれる事業所得は軽減の対象外です(新宿区)。
- 国民年金の特例免除:退職(失業等)した人の前年所得をゼロとして免除・納付猶予を審査する特例があります。ただし世帯主や配偶者の所得は審査の対象に残ります(日本年金機構)。
退職後の健康保険の選択肢には、国保のほかに会社の健康保険の任意継続と家族の扶養があります。会社都合退職の場合は国保の軽減が使えるため、比較の結果が自己都合退職のときと変わることがあります。個人事業主の社会保険の全体像は軽貨物個人事業主の社会保険(国民健康保険・国民年金の現実)で解説しているので、この記事では会社都合などで離職した人が使える「国保の軽減」と、失業を理由に申請できる「年金の特例免除」に絞って説明します。
国保の非自発的失業者軽減のしくみ|対象者と離職理由コード
対象になる人
厚生労働省は、対象を雇用保険の特定受給資格者(倒産・解雇などにより離職した人)と特定理由離職者(雇い止めや、正当な理由のある自己都合で離職した人)としています(厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」)。市区町村の案内では、これに加えて次の条件が示されています。
- 離職日時点で65歳未満であること(新宿区・船橋市)
- ハローワークが発行する雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知を持っていること
- 高年齢受給資格者証や特例受給資格者証を交付された人は対象外(千葉市・江戸川区)
離職理由コードで判定される
対象かどうかは、雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の「離職理由」欄のコードで判定されます。新宿区・船橋市・広島市の案内で示されているコードは次のとおりです。
| 区分 | 主な離職理由 | 離職理由コード |
|---|---|---|
| 特定受給資格者 | 倒産・解雇など | 11・12・21・22・31・32 |
| 特定理由離職者 | 雇い止めなど | 23・33・34 |
自己都合退職でも、コードが23・33・34の特定理由離職者であれば対象になります。逆に「会社から退職を勧められた」と自分では思っていても、ハローワークの判定コードが対象外であれば軽減は受けられません。
なお、船橋市は、この軽減の要件をすべて満たさなくても、倒産・解雇・病気などで離職した場合に保険料の減免を受けられる場合があると案内しています(船橋市)。こうした独自の減免があるかどうかは自治体によって異なるため、お住まいの市区町村で確認してください。
軽減の中身は「給与所得を30/100とみなす」
国保料(税)は、前年の所得をもとに計算される部分(所得割)を含みます。軽減制度では、この計算に使う本人の前年の給与所得を30/100とみなします(厚生労働省)。給与所得とは、給与の収入金額から給与所得控除額を差し引いた金額です(国税庁 No.1410)。たとえば前年の給与所得が300万円なら、国保料の計算上は90万円として扱われます。
押さえておきたい点は次の3つです。
- 給与所得以外は軽減されない:副業の事業所得や不動産所得などはそのままの額で計算されます(新宿区・江戸川区)。
- 保険料が変わらない場合がある:江戸川区は、前年の給与所得が43万円以下の場合や、軽減後も賦課限度額を超える場合は保険料が変わらないと案内しています。広島市も、前年の給与所得が少ない場合は軽減されないことがあるとしています。
- 高額療養費の所得区分にも反映される:医療費の自己負担限度額などを決める所得区分の判定でも、給与所得を30/100として扱います(厚生労働省)。
具体的な保険料率や均等割の額は市区町村ごとに異なるため、この記事では金額の試算はしていません。軽減後の保険料は、受給資格者証を持って国保窓口で試算してもらうのが確実です。
軽減期間と開業後の扱い|雇用保険の受給をやめても続くのか
期間は「離職日の翌日が属する月から翌年度末まで」
軽減の対象期間は、離職日の翌日が属する月から、その月が属する年度の翌年度末(3月31日)までです(新宿区)。国保の年度は4月から翌年3月までです。江戸川区は、離職日が令和8年3月20日の場合は令和8年3月分から令和9年3月分までが対象になる例を示しています(江戸川区)。
同じ考え方で数えると、2026年10月20日に離職した場合は、翌日の10月21日が属する2026年度の翌年度末、つまり2028年3月分までが対象期間です。
雇用保険の給付期間とは別物
千葉市は、この軽減の対象期間は雇用保険の給付期間とは異なると明記しています。そのうえで、国保に加入中であれば途中で就職しても対象期間は続き、会社の健康保険に加入するなどして国保を脱退すると軽減は終了するとしています(千葉市)。広島市も同様に、再就職して会社などの健康保険に加入し国保の資格を失うと終了すると案内しています(広島市)。
軽貨物で個人事業主として開業する場合、会社の健康保険には加入しないため、国保の資格は通常そのまま続きます。上記の自治体の説明に照らすと、開業によって国保を抜けるわけではないので、軽減期間が途中で打ち切られる理由には当たらないと読めます。ただし、今回確認した厚生労働省と各自治体のページには、「開業して雇用保険の基本手当の受給をやめた場合」や「再就職手当を受けた場合」を直接取り上げた記載はありませんでした。千葉市・広島市は対象者を「失業等給付を受ける方(受けている人)」と表現しているため、開業前にお住まいの市区町村の国保窓口で確認してください。
再就職手当の条件や申請の流れは軽貨物で開業すると再就職手当はもらえる?で詳しく解説しています。
途中で会社員に戻り、また国保に戻った場合
厚生労働省の通知(平成22年6月10日 保国発第610001号)では、軽減対象期間内に会社の健康保険などの被用者保険の適用を受けた人でも、新たな雇用保険の受給資格が生じていなければ軽減の対象になると整理されています(厚生労働省通知)。広島市も、期間内に国保へ再加入した場合、新たな雇用保険の受給資格が生じていなければ再加入日から軽減されるが、再度の届出が必要だとしています(広島市)。
開業1年目・2年目の保険料はどう計算されるか
国保料は前年の所得で計算されるため、会社都合で辞めて年の途中で開業した人の保険料は、年度ごとに次のような構造になります。
- 離職した年度:前年(会社員時代)の給与所得を30/100とみなして計算
- 翌年度:離職した年の所得で計算。会社員時代の給与所得は30/100とみなされますが、同じ年に開業して得た事業所得は軽減されずにそのまま加わります
- 翌々年度以降:軽減期間が終わり、開業後の事業所得などをもとに通常どおり計算
軽減期間が終わる年度からは、開業後の事業所得がそのまま保険料に反映されます。青色申告特別控除などで所得を正しく計算しておくことが、その後の保険料にも関わります。開業届と青色申告承認申請書の提出期限は開業届の提出後にやること7ステップで確認できます。
国保の軽減を受ける手続き|必要書類・届出先・期限
必要書類
自治体によって細部は異なりますが、確認できた範囲で共通しているのは次の書類です。
- 雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知(ハローワーク発行)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- マイナンバーが確認できる書類(窓口の場合。新宿区・江戸川区)
- 届出書(郵送・電子申請の場合は所定の様式)
注意したいのは、離職票では受け付けない自治体があることです。江戸川区は資格者証・通知以外の書類では受付できないとしており、船橋市は手書きの仮作成・仮発行の状態では受け付けられないとしています(江戸川区・船橋市)。受給資格者証はハローワークで求職の申込みをして受給資格の決定を受けたときに交付されるものなので、軽貨物の開業準備を始める前にハローワークでの手続きを済ませておく順番が重要です。
届出先と方法
届出先はお住まいの市区町村の国保窓口です。窓口のほか、郵送や電子申請に対応している自治体もあります。新宿区は郵送、江戸川区は郵送と電子申請(ぴったりサービス)、千葉市は電子申請(ちば電子申請システム)、名古屋市はオンライン申請に対応しています(新宿区・江戸川区・千葉市・名古屋市)。
届出が遅れると軽減できないことがある
軽減は届出をしないと適用されません。江戸川区は、失業給付を延長した人や申請が遅れた人は、賦課決定の期限の制限により減額できない場合があるとしています。広島市は、加入日(資格取得日)から2年を過ぎると軽減を受けられない場合があると注意喚起しています。名古屋市も、期限を過ぎると届け出ても30/100の計算を適用できないとしています(江戸川区・広島市・名古屋市)。受給資格者証を受け取ったら、国保の加入手続きとあわせて早めに届け出るのが安全です。
国保の加入そのものについては、千葉市が以前の健康保険を脱退した日から14日以内の届出を案内しており、届出が遅れても資格が発生した日にさかのぼって加入し、その間の保険料を納めることになるとしています(千葉市)。
退職後の保険料負担を抑えつつ、開業時の車両費用も見積もっておきたい場合の選択肢として、リース料金を比較しておくと資金計画が立てやすくなります。
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国民年金の退職(失業)による特例免除・納付猶予
会社を辞めると国民年金の第1号被保険者になる
厚生年金に加入していた20歳以上60歳未満の人が退職し、次の勤め先にすぐ入らない場合は、国民年金の第1号被保険者として自分で加入手続きをして保険料を納める必要があります(日本年金機構)。退職日の翌日が第1号被保険者の資格取得日になり、扶養されていた配偶者も第3号被保険者の資格を失うため、配偶者についても第1号の手続きが必要です(日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」)。軽貨物で開業した後も、国民年金の第1号被保険者であることは変わりません。
特例免除の内容:退職した人の前年所得をゼロとして審査
国民年金保険料の免除・納付猶予は通常、前年所得で審査されます。全額免除の基準は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」で、免除の審査対象は本人・配偶者・世帯主、納付猶予(20歳以上50歳未満)の審査対象は本人と配偶者です(日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)。
会社員時代の前年所得があると、通常の基準では免除が通らないことが多くなります。そこで、失業・倒産・事業の廃止などの事実を確認できる場合は、退職(失業等)した人の前年所得をゼロとして審査する特例があります。対象は、申請者本人・世帯主・配偶者のいずれかが退職(失業等)した人です(日本年金機構パンフレット)。ただし、退職していない世帯主や配偶者に所得がある場合はその所得が審査されるため、必ず承認されるわけではありません(日本年金機構)。
国保の軽減との大きな違いは、会社都合かどうかを問わない点です。日本年金機構の案内では「退職(失業等)」が要件で、離職理由コードによる区別は示されていません。自己都合で辞めた人もこの特例は申請できます。
対象期間と必要書類
- 対象期間:失業等のあった月の前月から翌々年6月まで(日本年金機構パンフレット)
- 年度の区切り:免除・納付猶予の年度は7月から翌年6月まで。1枚の申請書で申請できるのは12か月分なので、年度ごとに申請が必要です。特例免除の承認を受けた人も翌年度に申請が必要です(日本年金機構「免除・納付猶予申請書の電子申請」)
- 失業を確認する書類:雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知、雇用保険被保険者離職票、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書などの写し(同パンフレット)
- 申請先:住所地の市区町村の国民年金担当窓口または年金事務所。郵送・電子申請も可能(日本年金機構)
- さかのぼり:申請書が受理された月から2年1か月前までの期間を申請できますが、申請が遅れると万一の際に障害年金などを受け取れない場合があります(同パンフレット)
免除を受けると将来の年金はどうなるか
免除期間は、全額免除なら全額納付した場合の2分の1、4分の3免除なら8分の5、半額免除なら8分の6、4分の1免除なら8分の7が老齢基礎年金に反映されます(平成21年4月分以降)。納付猶予の期間は受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されません。承認を受けた期間の保険料は、10年以内なら後から納める(追納する)ことができます(日本年金機構)。
開業直後の売上が安定しない時期は免除で負担を抑え、事業が軌道に乗ってから追納するという使い方が制度上できます。なお、一部免除の場合は減額された保険料を納めないと未納扱いになる点に注意してください(日本年金機構)。老後資金の上乗せ制度についてはiDeCo・小規模企業共済のガイドを参照してください。
国保(軽減あり・なし)・任意継続・家族の扶養の比較
退職後の健康保険は、国保・会社の健康保険の任意継続・家族の健康保険の被扶養者の3つから選びます。会社都合退職の場合は国保の軽減を前提に比較する必要があります。
| 項目 | 国保(非自発的失業者軽減あり) | 国保(軽減なし) | 任意継続(協会けんぽの場合) | 家族の扶養 |
|---|---|---|---|---|
| 主な条件 | 特定受給資格者・特定理由離職者で離職時65歳未満 | 他の医療保険に加入していない | 退職日までに継続2か月以上の被保険者期間 | 年間収入の基準(原則130万円未満など)を満たす |
| 保険料の決まり方 | 前年の給与所得を30/100とみなして計算 | 前年所得などをもとに市区町村が計算 | 退職時の標準報酬月額×都道府県の保険料率(32万円超は32万円で計算) | 本人の保険料負担なし |
| 期間 | 離職日の翌日の属する月から翌年度末まで | 加入している間 | 最長2年 | 収入基準を満たす間 |
| 手続き期限 | 加入届+軽減の届出(遅れると適用できない場合あり) | 加入届(14日以内を案内する自治体あり) | 退職日の翌日から20日以内 | 家族の勤務先経由 |
| 開業後の注意 | 事業所得は軽減されない | 事業所得が翌年度の保険料に反映 | 開業後の所得で保険料は変わらない | 事業収入の見込みで扶養を外れることがある |
出典:厚生労働省、新宿区、協会けんぽ「任意継続」、協会けんぽ「被扶養者の認定における特例」、千葉市
任意継続を選ぶときのポイント
協会けんぽの任意継続は、退職時の標準報酬月額に住所地の都道府県の保険料率を掛けて計算し、退職時の標準報酬月額が32万円を超える場合は32万円で計算します。40歳から64歳の人は介護保険料が加わります。保険料は原則2年間変わりませんが、保険料率や上限の変更があれば変わります(協会けんぽ)。健康保険組合に加入していた場合は計算方法が組合ごとに異なるため、加入していた組合に確認してください。
任意継続には被扶養者の保険料負担がないという特徴があります。一方、国保は加入者の人数に応じた負担(均等割)がある仕組みで、未就学児の均等割には軽減があります(厚生労働省)。家族を扶養している人ほど、任意継続のほうが有利になる場合があります。
また、任意継続は本人の申出によって脱退できます(協会けんぽ)。軽減を適用した国保料の試算額と、任意継続の保険料を並べて比べるのが実務的です。
家族の扶養に入る場合の注意
協会けんぽでは、被扶養者の年間収入の基準額を130万円(60歳以上または一定の障害がある人は180万円)としており、同一世帯の場合は被保険者の年間収入の2分の1未満であることも求められます(協会けんぽ)。軽貨物で開業して事業収入が見込まれる場合は、扶養の要件を満たし続けられるかを家族の加入する健康保険に確認する必要があります。収入と扶養の境目は軽貨物で扶養から外れるのはいくらから?で詳しく解説しています。
国保の軽減と年金の特例免除の違い|条件・書類・申請先・期間
| 項目 | 国保の非自発的失業者軽減 | 国民年金の退職(失業)特例免除・納付猶予 |
|---|---|---|
| 対象 | 特定受給資格者・特定理由離職者(コード11・12・21・22・31・32・23・33・34)、離職時65歳未満 | 本人・世帯主・配偶者のいずれかが退職(失業等)した人。会社都合に限らない |
| 内容 | 前年の給与所得を30/100とみなして保険料を計算 | 退職した人の前年所得をゼロとして免除・納付猶予を審査 |
| 必要書類 | 雇用保険受給資格者証または受給資格通知、本人確認書類など | 受給資格者証・受給資格通知・離職票などの写し、基礎年金番号またはマイナンバーがわかるもの |
| 申請先 | 市区町村の国保窓口 | 市区町村の国民年金窓口または年金事務所 |
| 期間 | 離職日の翌日の属する月から翌年度末まで | 失業等のあった月の前月から翌々年6月まで(年度ごとに申請) |
| さかのぼり | 期限の制限あり(自治体により案内が異なる) | 受理月から2年1か月前まで |
出典:厚生労働省、新宿区、日本年金機構、日本年金機構パンフレット
退職から開業までの手続きの順番
会社都合で退職して軽貨物で開業する場合、2つの制度を取りこぼさないための順番は次のとおりです。
- 勤務先から離職票を受け取り、離職理由が会社都合(または特定理由離職者)になっているか確認する
- ハローワークで求職の申込みをし、受給資格の決定を受けて受給資格者証(または受給資格通知)を受け取る
- 市区町村で国保に加入し、受給資格者証を提示して非自発的失業者軽減を届け出る
- 国民年金の第1号被保険者の手続きをし、必要に応じて特例免除・納付猶予を申請する
- 税務署に開業届を出し、運輸支局で貨物軽自動車運送事業の届出をする
任意継続を検討する場合は、退職日の翌日から20日以内という期限があるため、手順3の前に国保の軽減後の試算額と任意継続の保険料を比べておく必要があります(協会けんぽ)。
よくある質問
Q. 自己都合退職でも国保の軽減は受けられますか?
A. 自己都合退職のうち、ハローワークで特定理由離職者と判定された人(離職理由コード23・33・34)は対象です。それ以外の自己都合退職や定年退職は対象外です(新宿区)。国民年金の特例免除は会社都合に限られないため、自己都合でも申請できます。
Q. 軽貨物で開業したら国保の軽減は打ち切られますか?
A. 千葉市・広島市は、軽減が終わるのは会社の健康保険などに加入して国保を脱退したときと案内しています。個人事業主として開業する場合は国保に加入し続けるのが通常ですが、雇用保険の受給をやめた後の扱いを明記した公式ページは確認できなかったため、お住まいの市区町村で確認してください。
Q. 離職票だけで国保の軽減を申請できますか?
A. 自治体の案内では、ハローワーク発行の雇用保険受給資格者証または受給資格通知が必要とされています。江戸川区は資格者証・通知以外の書類では受付できないとしています。年金の特例免除は離職票の写しでも申請できます。
Q. 開業後の事業所得にも30/100の軽減はかかりますか?
A. かかりません。軽減されるのは給与所得のみで、事業所得などそれ以外の所得は軽減の対象外です(新宿区)。
Q. 年金の特例免除は1回申請すれば終わりですか?
A. 免除・納付猶予の年度は7月から翌年6月までで、原則として毎年度の申請が必要です。特例免除の承認を受けた人も翌年度に申請が必要です(日本年金機構)。
Q. 任意継続と国保の軽減はどちらが得ですか?
A. 前年の給与所得、扶養家族の人数、住んでいる市区町村の保険料率によって変わるため一概には言えません。任意継続は退職時の標準報酬月額で保険料が決まり、被扶養者の保険料負担がありません。国保は軽減後の額を窓口で試算してもらい、任意継続の保険料と比べて決めるのが確実です。
まとめ
- 会社都合(特定受給資格者)や雇い止めなど(特定理由離職者)で辞めた65歳未満の人は、国保料を前年の給与所得×30/100で計算してもらえる
- 軽減期間は離職日の翌日が属する月から翌年度末まで。国保を抜けると終了し、開業後の事業所得は軽減されない
- 申請には受給資格者証(または受給資格通知)が必要なので、開業準備の前にハローワークで受給資格の決定を受けておく
- 国民年金は、退職した人の前年所得をゼロとして審査する特例免除・納付猶予を申請できる(毎年度申請・10年以内の追納が可能)
- 任意継続は退職日の翌日から20日以内に申し出る必要があるため、国保の軽減後の試算額と早めに比べる
- 自治体ごとに異なる点(届出期限、独自の減免、開業後の扱い)は、お住まいの市区町村で確認する
退職後の保険と年金の手続きを済ませたら、次は開業に使う車両の準備です。開業にあたって車両を用意する場合の選択肢として、リースの料金や条件を確認しておきましょう。
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参考・出典
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
- 厚生労働省「非自発的失業者の国民健康保険料(税)軽減制度において軽減対象期間内に被用者保険の適用がある被保険者の取扱いについて」(平成22年6月10日)
- 新宿区「非自発的失業者の国民健康保険料の軽減」
- 千葉市「非自発的失業者の保険料を軽減」
- 千葉市「勤務先の健康保険をやめたとき」
- 江戸川区「非自発的失業者の国民健康保険料の軽減」
- 広島市「離職者向け国民健康保険料等の軽減措置」
- 船橋市「非自発的失業者の国民健康保険料の軽減」
- 名古屋市「非自発的失業者に係る国民健康保険料の軽減の届出」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
- 日本年金機構「国民年金の加入、保険料免除・納付猶予制度のご案内」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除・納付猶予申請」パンフレット(PDF)
- 日本年金機構「国民年金保険料免除・納付猶予申請書の電子申請」
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「被扶養者の認定における特例について」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」


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